Dragon Banquet ~竜の宴~

カシャフ川のドラゴン

Dragon of Kashaf

カシャフ川のドラゴンのイラスト
カシャフ川のドラゴンの伝承地域

容姿・特徴

町をまたぐほど長く、山々を渡るほどの太さの竜。毒の息を吐く。

出典

ペルシア神話、王書

解説

ペルシア神話のファリードゥーンの家臣の武将サーム(オヒヤOhya[アラム語])に倒された竜。現在のイランに棲んでいた。

 ある時、息子のザールが、ザッハークの一族であるカーブルの王女と恋に落ちる。ザッハーク一族を滅ぼすべく、イラン王に派遣されたサームは、王を説得し息子の恋を叶えるために、1通の手紙を書いた。その中で自分の竜退治について語っている。

 竜の長さは、町から町にまたがり、太さは山から山にわたる。人々は恐れおののき、一日中竜を見張っていた。竜の吐く息はハゲタカの羽を焼き、その毒素で大地が燃えるほどだった。竜は、水底から恐ろしい鰐を引きずり出し、空を飛ぶ鷲をつかみ取るようなこともした。それで、地上には人も動物もいなくなってしまった。
 そこで、サームは、象ほどの巨大な馬にまたがり、鞍に牛頭の矛をつけ、腕に弓を持ち、首に盾をかけて進み出た。彼は、獅子の吠え声のような叫び声を上げて、竜に襲いかかった。矢で口の真ん中を射抜き、矛で狂った象のような竜の頭を打ち砕いた。すると、毒がナイル河のように大量に流れ出した。竜の脳髄は山ほどに積み上がり、カシャフ川は胆汁の流れと化した。
 サーム自身もその竜の毒で長く病み、その地方では幾年も収穫がなく、焼けただれた茨しか生えなかったという。
 サームは、この時竜を一撃で倒したため「一撃のサーム」、「必殺のサーム」と呼ばれるようになる。

参考文献

ペルシアの神話(泰流社)、王書 古代ペルシャの神話・伝説(岩波書店)、王書(平凡社)

文責 : ARES、さゆら
イラスト : くに

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